最も怖い頭痛の一つに「くも膜下出血」があります。急に起こった頭痛でこれまでに経験がないような頭痛やハンマーで頭を叩かれたような急激な頭痛はくも膜下出血が疑われます。
しかし、風邪の頭痛程度の軽い頭痛であることもあり、診断は医師でも難しいことがありますので、専門医による診察とCT、MRIなどの検査をお勧めします。特にご家族にくも膜下出血を経験された方がいる場合は注意が必要です。
一方、最もよくある頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛です。
脳卒中などと異なり、これらの頭痛は他人から軽くみられることが多く、ご本人は辛い思いをされていることが多いのが実状です。
当院ではお一人おひとりの症状に応じたきめ細かい治療を行っております。
「天井が回る」「景色が流れる」といった回転性のめまいや、グラグラするめまい、雲の上を歩いているようなめまいなど、めまいの症状は人によって様々です。めまいの原因は多岐にわたるため、何科にかかったらよいのか分からない方も多くいらっしゃいます。
当院ではめまいの原因についてよく調べていきます。回転性のめまいは圧倒的に耳の奥の内耳が原因であることが多く、頻度から良性発作性頭位めまい症と前庭神経炎が鑑別にはいりますまた、耳鳴りを伴う場合はメニエール病が、聴力低下を伴う時は突発性難聴が疑われます。
しかし、頻度は低いものの小脳や脳幹部の脳梗塞や脳出血でも同様の回転性めまいを生じることがあるので、油断は禁物です。
座った状態から急に立ち上がった時、目の前が真っ暗になるといった症状です。これは一時的に脳に必要な血液量が不足していることが原因です。
血圧の低い方が多いのですが、中には心臓、脳やホルモンの病気の方もいらっしゃいますので検査を受けることをお勧めいたします。
けいれん発作を繰り返し起こす方は、てんかんが疑われます。
また、けいれんを生じないてんかんもあります。
意識がとぶ、目を開けたままボーっとしてしまう、呼びかけに1~2分間反応がないなどの症状は側頭葉てんかんが疑われます。
最近では高齢者にこのタイプのてんかんが多いことが分かってきました。
最近の新しい薬でこれらのてんかんをよく抑えることが可能になってきました。
突然意識を失って倒れたという場合、最も多いのは神経調節性失神という失神であり、朝礼や集会で立ち続けていた時や高齢者が食後などに起こすのはだいたいそれです。
ただ、心臓の病気が原因で失神を起こす心原性失神は気をつけなければなりません。不整脈などの危険な病気が潜んでいることがあります。
「ぽっくり病」と呼ばれるブルガタ症候群など突然死に繋がる病気の場合もあります。
手足のしびれの原因も様々です。脳梗塞など脳に原因があるのか、背骨(脊椎)に原因があるのか、手足の神経(末梢神経)に原因があるのかを鑑別することが大切です。
特に右か左の手足、つまり半身にしびれが出現した場合や口唇のまわりや顔面にしびれを伴う場合は脳梗塞など脳の病気が疑われます。速やかに脳神経外科を受診してください。
手足の動きが急に悪くなった、重くなったなどの症状は脳梗塞や脳出血が疑われます。速やかに脳神経外科を受診してください。
呂律(ろれつ)が回りにくいのを「構音障害」といい、言われている言葉が分からない或いは言われている事は分かるが言葉が出ないのを「失語症」と言います。
脳梗塞、脳出血などに以上のような症状が見られることがあります。
飲み物が口からこぼれる。鏡を見たら顔の半分の動きが悪いといった症状は、顔面神経麻痺が疑われます。
食べ物を食べている時や歯磨きの時に、頬に激痛が走る場合は三叉神経痛という病気が疑われます。虫歯と間違えて抜歯をされる方がいらっしゃいました。
認知症の初期症状は、日常的にもよくある症状です。人や物の名前が思い出せない、新しいことを覚えられない、同じことを何度も聞く、家事の段取りが悪くなるといった症状が多いようです。
アルツハイマー型認知症は初期の段階で気づき、早期の治療をすることで病気の進行を抑えることができるので早期発見が何より重要です。
当院では脳MRI検査の際に海馬の萎縮を測る「VSRAD」という検査を取り入れ、アルツハイマー型認知症の早期発見に努めています。
また、認知症の中には慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症といった、手術で治療が可能な病気もあります。
何より早めに脳神経外科を受診されることをお勧めします。
脳腫瘍、脳出血、脳梗塞などにより急激な視力、視野障害が出現する事があります。
脳血管の瘤(コブ)が目を動かす神経(動眼神経)を圧迫して障害を起こすことがあります。
くも膜下出血を起こす前の危険な信号です。急いで脳神経外科を受診してください。
原因が不明なことも多いのですが、拍動性のザーザーという耳鳴りが続く場合は血管を血液が流れる音が聞こえている可能性があります。
硬膜動静脈ろうや高位頚静脈球という病気があり、CTやMRIで明らかになることがあります。
加齢によるものやある種の薬の副作用によるもの、パーキンソン病や甲状腺機能亢進症などの原因を鑑別することが必要です。
寝不足などでまぶたがピクピクするだけの眼瞼ミオキミアやドライアイなどが考えられます。
また、まばたきが多く、目を開けていられない「眼瞼けいれん」があり、これは早期発見・早期治療が重要です。
口の周りの筋肉も同時に引きつける場合は「半側顔面けいれん」が疑われます。