リハビリテーション室は病棟の4階にあり、
明るく開放的な空間でリハビリをすることができます。
脳血管障害や骨折の手術などのため急性期で治療を受けて、病状が安定し始めた発症から 1~2ヶ月後の状態を回復期といいます。 この回復期といわれる時期に集中的なリハビリテーションを行なうことで低下した能力を再び獲得するための病棟です。
弊院は病床数40床とコンパクトですが、回復期対象の患者さんに対して機能の回復や日常生活で必要な動作の改善を図り、寝たきり防止と社会や家庭への復帰を目的とした、患者さんごとのリハビリテーションプログラムに基づき、医師、看護師、ケアワーカー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士等が共同で集中的なリハビリテーションを提供いたします。
対象疾患 | 入院期間 |
---|---|
1.脳血管疾患、脊椎損傷、頭部外傷、くも膜下出血シャント 術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、 多発性硬化症、脳神経叢損傷などの発症後、もしくは手術後、 または義肢装着訓練を要する状態 |
150日 |
高次機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷 および頭部外傷を含む他部位外傷 |
180日 |
2.多肢の骨折、大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の骨折 | 90日 |
3.外科手術または、肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後 | 90日 |
4.大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷術後 | 60日 |
5.股関節または、膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
起きてベッドから離れて生活をする習慣を獲得していただきます。寝具から活動しやすいウエアに着替えていただき、個別訓練以外でも、体操やレクリエーションなどの集団訓練を行います。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、365日、2単位(40分)以上の個別訓練を実施します。
病棟では、上記セラピストとリハビリテーション専門医師・看護師などのスタッフと患者さんのADLの情報共有し、ケアに統一性を持たせています。
心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことが目的ですが、退院後の生活を整えるにあたり必要な社会資源の選定、調整の支援を、医師・看護師をはじめソーシャルワーカーが担当させていただきます。
看護師
病棟では、スタッフ全員が患者さまの一日も早い家庭復帰、社会復帰へ向け、同じ目標のもと、連携を取っています 入院中、患者さまの全身状態の観察と看護ケアの向上、継続に力を入れ、安全安楽に入院生活が送れるように、転倒・転落に注意しながら、援助させていただきます。日常生活の中で「ご自分で出来ることを(食事・洗面・排泄・入浴など)ご自分で行う」ことこそ、一番のリハビリテーションにつながります。
ケアスタッフ
入院中の患者さまについて、身の回りの世話をするだけの介護だけでなく、退院後の生活に目標をおいて生活の中でリハビリが出来るよう心がけ、援助させていただきます。
医療相談員(MSW:メディカルソーシャルワーカー)
医療チームとして協働し、疾病や心身障害等が生じたことをきっかけに起こる患者さんや介護者の心理・社会的問題や、職業、家庭生活、医療費、生活費等の生活上の問題を明らかにし、各種社会保障や社会福祉の制度を紹介・活用しながら、それらの問題を患者さん、ご家族が解決できるよう援助させていただきます。
理学療法士
病棟全体の目標である自宅復帰に向け理学療法士は、自宅復帰を念頭に置き、第一に病棟での移動手段の獲得を目指していきます。また家屋調査、家族面談等の情報を元に自宅での生活における移動方法のシュミレーション等を行い患者さまの意欲・意識(自宅復帰へ向けて)を高めるとともに、病院スタッフとの連携により、多くの患者さんを自宅復帰へと導けるよう援助させていただきます。
作業療法士
作業療法は、日常生活のいろいろな動作(食事、整容、更衣、入浴、排泄等)や家事、仕事、趣味などの諸活動を用い、患者さまが生き生きとした生活が送れるように援助させていただきます。病棟での生活訓練のほか、家屋訪問を実施し在宅を想定した環境(畳上での動作、台所等)での訓練、趣味的活動や手先の細かい動作の訓練としての手工芸なども行っています。
言語聴覚士
弊院で言語聴覚士のリハビリの対象となるのは、失語症に代表されることばの障害のある方、構音障害という話すことの障害、摂食・嚥下障害などの食べることに障害 のある方が主です。言語聴覚士はリハビリ実施と併せて、ご本人やご家族、他職種に対して、会話や食事などの日常生活場面での情報提供を適宜行っていきます。
失語症や構音障害では、障害の説明や、話し手・聞き手それぞれの立場から、話す速度や一文の長さについての注意点のほか、口頭で伝わらない場合の話す以外の伝達手段(身振り、うなずき、書字、描画など)についての情報提供やアドバイスをします。
摂食・嚥下障害の方に対しても障害そのものの説明のほか、口腔ケアの方法、食物形態や食事姿勢、一口量、ペースなどについて情報提供やアドバイスします。また、自宅や施設など退院先の介助量により調理者が無理なく調理可能、かつ安全に食べられる食物形態や姿勢などの調整を栄養士などと一緒に行います。