頭痛の診断
頭痛の診断

頭痛の診断と治療

頭痛には、「生命に危険のある頭痛」と「生命に危険のない頭痛」とに分けられます。「生命に危険のある頭痛」とは、くも膜下出血と脳腫瘍です。「生命に危険のない頭痛」とは、片頭痛や緊張型頭痛などです。この両者を絶対に間違えてはいけません。しかし、時に診断はむずかしい場合があります。当院では、経験豊富な脳神経外科専門医が診察にあたり、初診日当日に、MRIまたはCT検査を行い、迅速な診断を心がけております。

もっとも、危険な頭痛であるくも膜下出血の特徴は、突然ガーンと痛くなり、瞬時にしてピークに達する痛みです。瞬間的に痛みがピークに達する頭痛は、くも膜下出血以外にありません。多くの場合は、脳動脈瘤という脳血管のコブが破裂して起こるものです。早急に処置をしないと、再破裂を起こし、死亡する可能性があります。 診断は、症状とCTまたはMRI検査です。わずかな出血も見逃さないためには、MRI検査が有効なことがあります。また、造影剤を使ったCT検査(3D-CTA)で、動脈瘤の様子がよくわかります。

MRAで左中大脳動脈瘤を認めた(矢印)

MRAで左中大脳動脈瘤を認めた(矢印)

実際は「生命に危険のない頭痛」のほうが圧倒的に多く、特に片頭痛と緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)が代表的なものです。片頭痛は片側の拍動性頭痛が特徴ですが、両側性のこともあります。前兆として、視野にキラキラした光や、ギザギザの光が見られることがあり、閃輝暗点といいます。片頭痛は、通常、数時間~2日間程度で改善します。トリプタンというお薬がよく効きます。頭痛の発作回数が多いときは、予防療法を併用します。一方、緊張型頭痛は、頭が重い、帽子をかぶったような感じ、締め付けられるような頭痛と表現されます。首筋が張る、肩がこるなどの症状とともに、後頭部の鈍痛が認められます。消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、抗不安薬などが効きます。 当院では、患者様お一人お一人の頭痛症状をよくお聞きし、その頭痛症状に最もあった治療を行っております。